C型肝炎の怖さは、その静かさにあります。
C型肝炎は多くの場合、自覚症状がないまま慢性肝炎がじわじわと進行していきます。
そして何十年も経ってから肝硬変や肝細胞がんを引きおこします。
C型肝炎の怖さは、タイマーをセットされた時限爆弾のようなものなのです。
A型肝炎やB型肝炎に感染した場合、私たちの体は激しい拒絶反応を示します。
免疫システムがこれらの肝炎ウイルスをハッキリと外敵として認識し、一斉攻撃を仕掛けるからです。
その結果、一部が劇症肝炎になったり激しい症状が出ますが、その多くは急性肝炎の段階で治ります。
しかしC型肝炎ウイルスに感染した場合、そうはいきません。
C型肝炎ウイルスは変異がうまいために、免疫システムの監視をかいくぐり、体の中に巣くってしまうのです。
急性肝炎も自覚症状がないものが多く、感染者の半分は自分がC型肝炎にかかっていることすら気づきません。
C型肝炎が急性肝炎で治る割合はたった2割です。
残りの8割は6ヵ月以上経ってもウイルスが排除されない慢性肝炎に移行します。
C型肝炎ウイルスが定着すると、長い時間をかけて肝細胞はゆっくりと破壊されていきます。
最初は自覚症状がなくても、慢性肝炎はゆっくりと確実に進行し、肝硬変から肝ガンへと至ります。
放置しておけばウイルス感染から平均10年で7割以上が慢性肝炎に、20年で3割が肝硬変になります。
そして30年で感染者の2割が肝細胞がんになるのです。
これは肝硬変になった患者の7%が、毎年、肝細胞がんになるからです。
すなわち7%ずつ10年かけて3割の感染者の内の70%=感染者全体の2割が肝細胞ガンになるのです。
肝炎にはウイルス性のもの以外にも、アルコール性のものや、薬の副作用によるものなどさまざまな種類があります。
しかし日本人の肝臓病の8割はウイルス性のものであり、慢性肝炎でもC型が7割を占めます。
これが肝細胞がんになるとおよそ8割がC型肝炎からのものなのです。
C型肝炎は現在ではインターフェロンなどによる早期治療で十分、治る病気となってきています。
しかしC型肝炎は自覚症状がほとんどないため、その発見は多くの場合、健康診断や献血などの検査によります。
忙しいからといって定期検診をおろそかにせず、早期発見のチャンスを逃さないようにしましょう。